• 2022/06/26
  • 鍼灸・東洋医学
風邪の時でも鍼灸治療


「風邪ぎみなんですけど治療してもらえますか?」なんて
訊かれることがあるが
風邪ぎみで鍼灸治療はやったほうがいいし
風邪ぎみの時に鍼灸治療をすると
風邪をひかずに治すこともできる

鍼灸治療で治せるか?手遅れかは
脈とノドを診なければ判断できないが

ゾクゾクして体が重く頭がボーとする
のどがイガラッぽくて鼻水が出る
ぐらいの時に鍼灸治療をすると
薬を飲まずに速やかに治す事ができる

中医学では邪正闘争というが
バイ菌が体に侵入すると
バイ菌と免疫細胞との戦いが始まる

その時にお互いのエネルギーが強ければ
戦いが熾烈になり症状もひどくなる


若くて元気な人に強いバイ菌が侵入すると
40度ぐらいの熱が出るが
老人に弱いバイ菌が侵入すると
微熱のような状態がダラダラ続く

要するに風邪の症状はすべて
バイ菌に対する免疫反応なのである

だから東洋医学では風邪の症状を
止めることは極力しない

風邪気味の時に鍼灸治療をすると
免疫力がアップするので逆に熱が一気に上がる
可能性もあるが免疫力がバイ菌に打ち勝って
早く治るのである

だから鍼灸治療で風邪治療も可能なのである

注意しなければならないのは
免疫力とバイ菌の戦いの戦況を
正確に把握しなければならないことである

そのためには脈診と舌診が診れて
ノドの赤さ加減で判断する診断力が必要になる

すでにバイ菌の繁殖が進んでいる時に
鍼灸治療で免疫力を高めると
邪正闘争が激しくなりすぎて
危険な状態になることもあるからだ

高熱がでていても「鍼灸治療で治すんだ」と
胸を張る鍼灸師の先生もいらっしゃるが
私は軽い風邪には東洋医学
重症の風邪には西洋医学というように
役割分担して治療する事が
患者さんの笑顔につながると思っています


結論として風邪に鍼灸治療は有効だが
風邪ぎみ~軽い風邪ぐらいが対象となり
その正確な診断力が要求されるので
経験豊富な鍼灸師でないと対応が難しい疾患である


いずれにしてもコロナ禍がまだ
おさまっていない現状では
風邪の症状がある時は
PCR検査を受けて陰性を確認してから
ご相談ください(笑)



一覧に戻る