• 2022/09/19
  • 首・肩・膝の痛み
「腰椎分離すべり症」シビレの原因は他にあるかもしれない


腰痛の患者さんが両脚にシビレが
出ると言うので

「両脚にシビレが出る時は馬尾症状といって
脊柱管の中で神経が圧迫されている
可能性があるので一度病院で
精密な検査をしてもらって下さい」と
お願いしておいた

1ヶ月ぶりに来られたので
腰の検査は受けましたか?

整形外科でレントゲン検査を受けて
腰椎すべり症と診断されたそうだ

腰椎すべり症なら脊柱管が狭窄し
確かに両脚にシビレがでる疾患だ

しかし

この方は触診ではほとんど変形が
無かったので

私としては脊柱管の中で黄色靭帯や
後縦靭帯などが肥厚しておこる
脊柱管狭窄症を疑っていたのである

しかも第4腰椎と第5腰椎の間で
すべり症が起こっているそうだが

脊髄は細い神経線維が束になっているが
腰椎の第3腰椎あたりから束がほどけて
第4腰椎や第5腰椎あたりになると
馬尾神経といって馬の尻尾のようになっている

だから第4腰椎と第5腰椎の高さでは
神経が束になっていないので
よっぽど狭くならない限り圧迫を受けない

また、脊柱管狭窄症の代表的な症状に
間歇性跛行という歩行時に足が痛くシビレて
歩けなくなり立ち止まって休憩すると
また歩くことができる症状があるが

この方の場合は5分ほど歩くと
脚がシビレて来てそのまま歩いていると
スーとシビレが無くなるそうなので

間歇性跛行とは違うように思う

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの
手術をしたが症状が治らないという
ケースが多発しているが

これはレントゲンで確かに変形やヘルニアが
確認されているが
痛みやシビレの原因は他にあるから
手術しても治らないのである

今回の場合も第4腰椎と第5腰椎の
腰椎すべり症という病名であるが
それが直接的なシビレの原因かどうかは

今後慎重に経過を観察してみないと
分からないと思ったのである。




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