• 2023/07/24
  • 院長のひとり言
手技療法のセラピストも脈診を勉強してもらいたい


日本では腰痛や肩こりの人の
ほとんどが整骨院や整形外科で
マッサージやストレッチを受ける

最近はヨガや筋膜リリースなど
セルフケアも流行っている

その中で鍼灸治療を選択する人は
わずか0.9%といわれている

鍼灸治療は鍼を刺すので
他の治療法と違って
「失敗されたら怖い」という
思いがあるようだ

確かに資格のない者の鍼灸治療で
患者が死亡するような事件が
過去におこったりしているが

太く長い鍼で凄惨なほどの事をしないと
人を殺すことはできないので
有資格者の施術で死ぬ心配はない

当院では稀に内出血することはあるが
10日ほどで消失しますので
特に心配はいりません

この他に鍼灸治療での事故は
気胸、折針、抜針困難などがあるが
すべて未熟な施術者が起こすことであり
当院では100%起こりません

当院で一番注意しているのは
刺激量の調節事故である
体力のない人や気血が虚している人に
強い刺激を与えてしまうと

めまい、頭痛、吐き気、発熱など
湯あたりしたような状態になり
ひどければ救急搬送されることもある

だから当院では毎回必ず両手首の
脈を診て気血の虚実を見極めて
鍼灸治療を開始して終了後に
もう一度脈を診て治療の成否を
確かめているのです

施術による反応は鍼灸治療だけに
おこるものではなく
全ての手技療法に起こるので

整体やマッサージなどの施術を受けて
揉みおこしで気分が悪くなった経験がある
人は多いと思うが
施術者が相手の虚実を診もせずに
誰にでも同じように強い施術を
しているからである

その事に気付かずに「好転反応」だとか
適当な説明をしている事が多いようだが

全国のマッサージや整体で毎日
どれだけの人が揉みおこしで
辛い思いをしているかと思うと恐ろしい

治療家なら一人一人の症状を確認して
刺激量や刺激方法をセレクトして
ピッタリの施術をする
それが「匙加減」ということなのである

だから脈も診ない施術は非常に
危険だと思うので鍼灸師以外の施術家も
脈診は勉強してもらいたいのである。



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