• 2024/01/06
  • 院長のひとり言
クレームで除夜の鐘中止?


「うるさい」というクレームで
除夜の鐘を中止するお寺が増えているようだ

除夜の鐘がうるさいと騒ぐとは
煩悩の塊のような人が多くなっているのか?

夜中の12時から百八つの鐘を打つのは
日本の正月の伝統的な風物詩であり
継承してきた文化だと思う

「除」は古いものを捨てて新しいものに
移るという意味があり

1年間のうちに知らず知らずつくった
108つの煩悩を除き清らかな心で新年を
迎えるための儀式だと教えてもらったが

それを「うるさいからやめろ」と
クレームをつけることも
「そうですか」と止めてしまうことも
私にとっては驚きである

昔から先祖代々受け継いできた
伝統文化を簡単に捨ててしまって
よいのだろうか

日本人はお寺に参り、神社に参り
とりあえず何にでも手を合わせて
神様や仏様に守られているような
気になっている無宗教民族なので

伝統文化も軽く考えているのかもしれない

考えてみれば私が子供の頃(昭和40年代)は
正月はどこの家でも門松を置いて
国旗を掲げ、紋付の着物を着て
三が日は全ての商店が閉まっていた

今ではおせち料理は買うのが普通で
年賀状がlineに変わり着物を着ている人も
見なくなった

たった50年ほどでこれほど
文化を捨てる民族は少ないのではないだろうか?

どんな時代でもクレーマーのような
人は一定数必ずいると思うが
それでも今まで継承してきたものが
簡単に失われていくのが寂しい

後の時代に残すべき伝統文化や
日本人の心のようなものを
一人一人が大事にしていれば
このようなニュースを耳にすることも
なかったのではないだろうか。



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