- 久しぶりに運動鍼をしてみた
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息子が腰痛なので鍼をしてほしいと
帰って来たので治療したが
通常の腰痛の場所には硬結や
陥下がなく触診しても圧痛もなく
筋肉を診ても特に異常がない
去年のクリスマスイブに
長女が生まれ仕事から帰宅すると
赤ちゃんをお風呂に入れたり
ミルクを飲ませたりベビーマッサージを
したり子供の世話で腰痛が出たと
訴えているが
診察による身体所見からは
関節にも筋肉にも炎症は認められない
通常はこのようなケースでは
ストレスによる心因性の疼痛として
寧心安心を目的としたツボを優先し
補助的に腰部の本人が痛いと
思っているポイントに鍼を打つが
痛みに強い息子がかなり痛がり
わざわざ実家に治療に帰ってきたので
せめてその時だけでも痛みを
取ってやりたいと思い頭をひねったら
このような訳の分からない腰痛でも
とりあえず痛みを抑える手技を
思い出した
「運動鍼」といって
患部の要所のツボに鍼を響かせて
鍼を刺したまま運動してもらうのだ
これは私がまだ駆け出しの頃
診察技術も未熟で手探りで
治療していた頃に
頸、肩、腰、膝などの痛みに対して
よく使っていた治療法である
かなりの痛みを伴う治療法なので
痛くない鍼灸治療を看板に掲げている
今では患者さんには行わないが
息子だから良いだろう(笑)
うつ伏せで腰部の4か所に刺鍼して
そのまま四つん這いになる運動を
してもらう
かなり辛そうに運動していたが
治療後は「あれ?なんか痛みが軽い」
手探りでやみくもに鍼を打っていた
未熟な頃にやっていた治療法であり
筋肉を痛めるリスクがあり痛みを
伴うので今では封印している治療法だが
理由の分からない痛みに対して
効果があることが分かったので
心因性の疼痛の患者さんにリスクを
説明して理解してもらって試してみても
良いのではないかと思ったのである。
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