• 2025/07/31
  • 院長のひとり言
逆転しない正義とは?

朝ドラの「アンパン」で
戦争から生還した柳井嵩が

戦争ではお国のため家族を守るため
命をかけて戦うことが正義だが
占領されている国民や敵国の兵士
から見ると悪者でしかない

「だから僕は逆転しない正義を探す」
という意味のセリフがあった

これは私も常々考えていることだ

35年前は整骨院では高齢者の神経痛や
慢性の腰痛も普通に保険施術していた
それは少しでも多くの人々に安価で
きめ細やかな医療を届けて地域医療に
貢献したいという正義感からであった

保険を使わなければお年寄りや慢性痛で
苦しむ多くの人達が高額な施術料を
支払わなければならないので
本人に負担のないように保険に請求する
ことが正義なのだと信じていた

しかしその後日本経済が急激に悪化し
医療費の増大が社会問題になり
整形外科医を中心に柔道整復師の
健康保険の取り扱いを停止する活動が
活発化した

実際に街では整骨院が乱立して
買い物中の主婦や会社帰りの人に
クーポンやティッシュを配って
客引きをしている状況で
整骨院はマッサージ屋さんのような
存在に成り下がっていた

柔道整復師である私自身も
毎年高額な国民健康保険料を支払っているが
それは自分や家族が怪我や病気で
突然高額な医療費が必要になった時の
為に支払っている大事なお金である

なのに私が払った保険料が暇な主婦の慰安や
会社帰りの疲れをとるための癒しの
マッサージ代に使われているのは
明らかに間違っていると思ったのである

その事に気がついた瞬間に私の正義は
逆転したのである

私は患者さんのため、地域医療のため
などときれいごとを言っていたが

施術によって痛みをとったり
治したりできなければ1回5000円もの
高額な施術料を誰も払わない

その頃の私はそんな腕もないし自信も
なかっただけなのだ
だから健康保険を使うことで安くして
患者さんを集めていたのである

それがホンネだということに気がついた

そして私は貧乏してでも自分の正義感に
したがって保険を使わなで患者さんを
集められる治療家になろうと決意した

それから様々なセミナーや講習会に参加し
上海中医薬大学日本校で中医学を
基礎から学び知識と技術を磨いて
国際中医師の資格もとり東洋医学的に
患者さんを治療することができる
治療家になることができた

そして現在の健康保険を使わない
業態に生まれ変わったのである

正義とは立場や関係によって常に
変化するものであるが自分が信じる
正義を実現するために努力することが
成長につながるのだと私は考えている。





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