• 2021/01/20
  • 鍼灸・東洋医学
鍼と灸はどちらがよく効きますか?


「鍼と灸はどちらが効くのですか?」


治療中にこのような質問をよく受けますが

これはなかなか難しい質問です


我々は鍼灸師と言っていますが

正式には、『はり師』免許と『きゅう師』免許を

両方取得している人が鍼灸師なので

国は鍼治療と灸治療は別々に認識しているようです


中医学で鍼をして灸をしないのは下匠と言われ

どちらか一方しかしないことを戒められていますので


どちらか一方よりも

両方のほうが効果が上がる事は明らかです


インターネットで調べていると

自律神経、免疫、ホルモンなどの西洋医学的な

用語を使って鍼と灸の違いを説明している先生もいますが


私は臨床経験のない研究者がマウスやカエル

を使って得た論文を信用していません


当院では痛みの強い症状には鍼が優先

冷え症や慢性の関節痛

子どものオネショなどには必ずお灸をします

などといった感じで施術しています


基本的に、鍼も灸もツボを刺激する道具であり

ツボを刺激することで元来の治る力(自然治癒力)が

フルパワーで働いて症状を改善してくれる

それが鍼灸治療の目的です


私が鍼灸師の養成学校にいたころは(35年前)

鍼灸院では主に銀の鍼が使われていて

各鍼灸院で滅菌して施術に使用していました


その後現在のステンレスの使い捨ての鍼が

普及して今ではそれが常識になりました


ですから中国5千年の歴史ある治療法ですが

ステンレスの使い捨て鍼の出現によって

この35年ほどの短期間に鍼治療の

効果は飛躍的に上がったと思います


昔は銀の鍼を使いまわしていましたので

感染症の恐れがありましたが

現在のステンレス鍼は一人一人目の前で封を切って

使用後はスグに廃棄処分しますので清潔そのものです


銀の鍼は曲がったり折れたりしやすいので

深く刺すと患者さんが少し動いただけで

曲がったり折れたりして危険でしたが


ステンレスの鍼は曲がりますが折れませんので

深く刺したり、しばらく放置したり

深く刺して運動してもらうことも可能です


『灸頭鍼』といって、鍼の上に灸をすえることも

気軽にしやすくなりましたし


『針通電』といって刺した鍼に低周波の

電気を流す治療も安全に出来るようになりました


ステンレスは強いので0.12mmという

髪の毛と同じぐらい細い鍼が出現して

痛みがなく顔面でも平気で治療出来ます


鍼と灸どちらが効くかと訊かれると

私個人的には鍼が効くと思っています


ただし、それは鍼の効果が飛躍的に上がったからであって

お灸の効果が下がったのではありません


中国5千年の鍼灸治療を考えると

炙った石で患部を温めたお灸から始まり

石を尖らせて刺激した鍼が後から広まった


そして我々の祖母の時代(昭和初期)まではお灸の方が

圧倒的に国民に広く普及していたので

お灸の効果は5千年の歴史が証明していますし

お灸は自分でできるので家庭でのセルフケアに最適です


鍼と灸、鍼灸師によって好みがありますが

私は鍼治療がメインでお灸治療を補助的に使います。



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