• 2020/05/03
  • 院長のひとり言
鍼灸治療は免疫力アップが目的ではない!(8)


このブログは4月22日から始めていますので

できれば4月22日(1)からお読みください


新型コロナウイルスに対する免疫力について

今まで書いてきた中でサイトカインストームという

自己免疫によって重症化する話をしてきましたが


実は同じような事が感染症以外でも起こります


ひざの痛みを例に説明します

変形性膝関節症の関節内では老化などで

こすれて粉になった軟骨片が関節包内に付着します


免疫細胞は付着した軟骨片を関節内での侵入者と見なします


そこからは新型コロナウイルスの時と同じで

侵入者を攻撃するためにサイトカインを作ります


サイトカインはヒスタミンやプロスタグランジンなどの

痛みの物質を次々と分泌を促して

脳に痛みを伝えて安静を促します


痛みは生体反応としては

本人が痛くて動けなくするための免疫反応であり

治すための正常な免疫行動なのです


だから痛かったら安静にしていれば良いのですが


痛くて病院へ行くとレントゲンで骨折が無ければ

多少変形があっても筋力をつけなければならないので

安静にしていると治らないと言われ


ヒアルロン酸注射やロキソニンテープなどの

痛み止めを処方して

患部を電気治療機やマッサージで刺激して

ウオーキングを指導します


すると更に軟骨がすり減って軟骨片が関節内に

浮遊して充満してしまいます


こうなると免疫細胞はサイトカインを大量に放出して

サイトカインストームがおこり

腫脹、発赤、発熱、水腫などの症状を起こし


足を曲げることも伸ばすこともできず

安静にしていても激痛で夜も眠れないほどの

痛みに襲われるのです


ひざの痛みで通院しているが通院前より

悪くなっている人が多いと思いますが


もしも知り合いでそんな人がいたらすぐに転院を勧めてください


変形性膝関節症の痛みの原因は骨の変形ではなく

免疫力によるサイトカインストームなので

動かし続けるかぎり悪化します


年をとれば誰でも膝の関節は変形してきますので

歩きすぎたり長い間膝を曲げて作業したりすると

膝関節に軟骨片が浮遊して痛みがでるかもしれませんが


その痛みは浮遊している軟骨片を

無事に関節包から排除できるように

本人に「安静にして下さい」というシグナルを

出しているのだと思ってください


足の筋肉を鍛えるのは痛みが引いてから

じょじょに行えばいいのです


免疫力を敵に回して

サイトカインストームに見舞われてしまうと

手術しか治療の手だてがなくなってしまいますので

くれぐれもご注意ください


つづく




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